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医療法人社団篠原会
甲府脳神経外科病院
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山梨県甲府市酒折1-16-18
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医療安全基本指針

医療安全管理対策指針

第1条 趣 旨

 本指針は、事故のない安全で良質な医療を提供していくことを目的とする。
 そのためには、医療従事者一人ひとりが危機意識を持ち、最大限の注意を払いながら日々の患者の診療に当たらなければならない。しかし、「人間であれば誰でもエラーをおかす」という事実を前提にすれば、高度化・複雑化する医療環境の中においては、医療従事者個人の努力に依存した事故防止対策には限界がある。
 このため、当院では、組織的な医療事故等の防止について検討し、患者が安心して良質の医療を受けられるような環境を築くために、エラーを誘発しない環境や起こったエラーが事故に発展しないシステムを組織全体として整備していくこととする。  
 組織的な医療事故等防止対策の手段として、「リスクマネジメント」の考えを導入し、リスクの把握、分析、対処及び評価のプロセスが継続するようなシステムを構築し、発生したエラーについては、断じてこれを隠蔽することなく、積極的に報告できる職場環境を確立し、報告されたエラーについては、常にこれを教材とし、分析し、現場へフィードバックし、再発の防止と、エラーが医療事故につながらない体制づくりを目指す。

第2条 医療安全管理に関する基本的な考え方

(1)医療事故防止のための考え方
 医療事故を防止するためには、病院及び職員個人が事故防止の必要性・重要性を病院及び自分自身の課題と認識して事故防止に努め、防止体制の確立を図ることが必要である。このため病院は、「医療安全対策委員会」を設置し病院関係者の協議のもとに「安全対策マニュアル」を作成するとともに、インシデント事例及び医療事故事例の分析並びにマニュアルの定期的な見直しを行うことにより安全対策の強化と充実を図る。
(2)医療事故の定義
 医療に関わる場所で、医療の全課程において発生する全ての人的事故を指し、医療従事者の過誤、過失の有無を問わない。なお、医療事故には以下を含むものとする。
  ア)死亡、生命の危機、病状の悪化等の身体的被害及び苦痛、不安等の精神的障害が生じた場合
  イ)患者が廊下で転倒し負傷した事例のように、医療行為とは直接関係しない場合
  ウ)患者についてだけでなく、注射針の誤刺のように医療従事者に被害が生じた場合
 

第3条 医療安全対策委員会の設置等

(1)病院長を中心に各部門の責任者を委員とする「医療安全対策委員会」を設置する。
(2)医療安全対策委員会は、次の職務を遂行する。
   ア)当院の医療安全管理体制に関する基準の見直し
   イ)医療事故やインシデント事例等に関する資料の収集と職員への周知
   ウ)職員研修の企画
   エ)医療事故発生時の対応管理及び再発防止のための対策の立案・推進
   オ)その他医療安全に関わるあらゆる必要事項を決定する
(3)委員会は月に1回の定例会と医療事故発生時に開かれる緊急開催がある。
(4)委員会は医療事故発生時に事実関係の把握のため、関係者に報告または 資料の提出を求めるものとする。
(5)委員会は「インシデント報告書」の書式を定め、職員に対しヒヤリハット事例の報告を求める。
(6)委員会は職種・職位等に関わらず、職員が医療安全に関して自由に発言できるものとする。
(7)委員はその職務に関して知り得た事項のうち一般的な医療安全対策以外のものは、委員会及び院長の許可無く、院外の第三者に公開してはならない。
 
 

第4条 医療事故発生時の対応

(1)医療事故が発生した際には、医師、看護師等の連携の下に救急処置を行う。
(2)医療事故の報告
  i: 医療事故が発生した場合、関係者は直ちに各部門の責任者を通し、医療安全対策委員会に届け出る。また、医療安全対策委員会は医療事故発生を承知した場合、直ちに事実関係を把握し、適切な対応と対策に努める。
  ii: 報告は「医療事故報告書」により行う。ただし、緊急を要する場合には、直ちに口頭で報告し、事後速やかに「医療事故報告書」を提出する。
  iii: 医療事故報告書は医療安全対策委員長の指示により委員長または各部門責任者がこれを管理し、その保存期間は同報告書記載日の翌日から3年間とする。
(3)患者、家族への対応
  i: 患者に対しては誠心誠意治療に専念するとともに、患者及び家族に対して誠意をもって事故の説明等を行う。
  ii: 患者及び家族に対する事故の説明等は、原則として医療安全委員が対応し、状況に応じ事故を起こした担当医または看護師等が同席する。
(4)事実経過の記録
  i: 医師、看護師等は、患者の状況、処置の方法、患者及び家族への説明内容等を、診療録・看護記録等に詳細に記載する。
 
   ii: 記録に当たっては以下の事項に留意する。
   ・初期対応が終了次第、速やかに記載する
   ・事故の種類、患者の状況に応じ、出来る限り経時的に記載を行う
   ・想像や憶測に基づく‥記載を行わず、事実を客観的かつ正確に記載する
  iii: 医療安全対策委員会は事実経過の記録を確認する。
(5)医療事故の公表
  i: 医療安全対策委員会が安全対策のために必要と認めた事例に関しては、公表する。
  ii:公表においては患者、家族を含む当事者のプライバシーに最大限配慮する。
   当事者の同意無く公表をしてはならない。
(6)医療事故再発防止のための取り組み
  i:報告等に基づく事故原因の分析
  ii: 再発防止対策の協議

第5条 インシデント事例の把握と対応

(1)インシデント報告書を各部署に置く。
(2)インシデントを経験した職員は遅滞なく報告すること。
(3)職員がインシデント報告をしたことにより、当該職員に不利益が生じないようにする。
(4)報告の内容は医療安全対策委員会で次の観点から毎月検討を行う。
 ・報告に基づく事例の原因分析
 ・インシデント事例をなくすための対策
(5)医療安全対策委員会は、インシデント事例をなくすための対策について、必要に応じて職員に周知する。
 

第6条 職員研修

(1)職員研修を年2回開催する。
(2)職員研修の企画は次の内容を勘案し医療安全対策委員会で企画する。
 ・当院のインシデント報告書の分析と対策
 ・医療事故・インシデントに関する文献
 ・講演
 ・職員相互の検証
 

第7条 医療安全管理対策指針の周知徹底

 医療安全管理対策指針は、各部署に配布し周知を図る。

第8条 患者等に対する医療安全管理対策指針の閲覧

 患者及び家族が医療安全管理対策指針(感染対策等関連書類を含む)の閲覧を求めた場合は、特別な理由があると医療安全対策委員長が判断した場合を除き、これを妨げてはならない。
 
 
 

第9条 患者からの相談への対応

 患者及び家族の医療安全等に対する相談は各科の職員誰もが適切に受け入れるよう努力し、内容に関わらず誠意を持って回答するよう努める。また、一人の判断で回答せず、部署の責任者や病院長とも協議をして適切な回答を心がけ、その内容は各部署責任者を通じて、院内全体に周知させ以後の相談ヘの適切な対応や業務改善の課題として取り組む。
 

附 則

 この指針は、平成17年4月1日から施行する。
 
 この指針は、平成30年8月1日から施行する。
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