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医療法人社団篠原会
甲府脳神経外科病院
〒400-0805
山梨県甲府市酒折1-16-18
TEL.055-235-0995(代) 
FAX: 055-226-9521

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午前   8:00~11:00
午後 12:50~16:00
(日・祝日 休み)
(木・土 午後休診)
 
※診察時間は、
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※救急は24時間受け付けています。
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脳神経外科

脳卒中とは?

脳の血管がつまる「脳梗塞」と、血管が破れて出血する「脳出血」や「くも膜下出血」に分けられます。
脳血管障害の分類:虚血性病変と出血性病変

脳梗塞

脳の血管が閉塞して血液の流れが途絶え酸素や栄養が届かなくなり、脳の一部がダメージを受ける病気です。脳塞栓症(心房細動などの心臓の病気で生じた血栓が脳の血管を急に詰めるタイプ)、脳血栓症(動脈硬化で脳の血管が徐々に詰まるタイプ)、穿通枝梗塞(脳を貫く細い穿通枝動脈が詰まるタイプ)に大きく分けられます。発症から4.5時間以内であれば、血栓を強力に溶かすtPAを点滴で投与する治療を行います。また、その効果が不十分な場合は、カテーテルを用い直接血栓を回収する血管内治療を行う場合もあります(写真参照)。その他、一般的な急性期点滴内科治療(脳保護薬、抗血栓薬など)、急性期リハビリテーション治療をほとんどの入院患者さんに行っています。
カーテル治療
血栓溶解術(t-PA治療)

脳出血

脳内を走る血管が破綻し脳の中に出血する病気です。高血圧が原因の高血圧性脳内出血が最も一般的ですが、アミロイドアンギオパチー、脳動静脈奇形、もやもや病などが出血の原因になることもあります。脳内に出血をしますので直接脳を破壊するために、出血の起こった脳内の場所により、半身の運動麻痺や感覚障害、失語症、視野障害などいろいろな症状を起こします。強い意識障害を生じるほど血腫が大きくない場合は、血圧を下げ、止血を促す薬や脳のむくみを軽減する薬の投与などの内科的治療とリハビリテーションを行います。血腫が大きく意識障害が強い場合は、血腫を取り除く手術(写真参照)を行うことがありますが、壊れた脳組織を修復する方法はなく、半身麻痺などの後遺症を残すことが多い疾患です。

クモ眼下出血

           脳動脈瘤
突然の今までに経験したことのない激しい頭痛で発症し、その半数は病院に着く前に死亡していると言われます。その原因の85%は脳動脈瘤の破裂ですので、直ちに手術のできる脳神経外科を受診して下さい。
 
 
脳の表面を走行する太い動脈が枝分かれする部位で、動脈の壁が嚢(ふくろ)状に膨れる異常が脳動脈瘤です。これが破裂すると、脳の表面に広く動脈性の出血を生じるため(くも膜下出血)、意識障害や経験したことがない強い頭痛が突然に起こります。一度破裂した脳動脈瘤は再出血しやすく、何回も出血すると入院していても突然呼吸が止まったり、昏睡状態になって命の危険が切迫します。患者さんの状態が極端に悪くなければ、なるべく早い時期に再出血の予防の処置を行う必要があります。方法としては、開頭によるクリッピング術と血管内治療によるコイル塞栓術があります(写真参照)。当院ではどちらの治療も発症から3日以内の急性期に行えるため、患者さんの状態、脳動脈瘤の部位・大きさ・形状を検討し、優位性の高い方法で治療を行っています。
 また、最近では脳ドックなどで行うMRA検査により、破裂していない脳動脈瘤(未破裂脳動脈瘤)が比較的高い頻度(100人検査をすると数人見つかるといわれています)で発見されます。未破裂脳動脈瘤が破裂する確率は平均すると1年間に1%未満で高いものではないため、緊急で治療する必要はありません。脳動脈瘤の発生部位・大きさ・形状と患者さんの年齢・全身状態、くも膜出血の家族歴などを総合的に評価し、治療の必要が高いと判断された患者さんを対象にクリッピング術またはコイル塞栓術を行っています。

脳腫瘍

慢性の、進行性の頭痛や運動障害、言語障害で発症することが多く、まれに視野障害を伴います。造影脳MRIによる精密検査が必要です。当院は高性能3T・MRIやPET・CTによる速やかな精密検査を実施しています。
 
脳腫瘍は頭蓋骨の内側に生じる“できもの”で、頭蓋内に最初からできた原発性脳腫瘍と頭以外の体にできた悪性腫瘍が転移してできた転移性脳腫瘍に大きく分けられます。治療上原発性と転移性の区別は重要で、その方法としては、当院付属施設である山梨PET画像診断クリニックで受けることができる全身のPET検査が有用です。もし転移性脳腫瘍と診断された場合は、ガンマナイフを行うことが多く、東京女子医大病院や熱海所記念病院などにご紹介しています。原発性脳腫瘍は更に、脳から発生する脳実質内腫瘍と脳を包む膜や脳神経、下垂体などから発生する脳実質外腫瘍に分けられます。脳実質内腫瘍の場合、摘出手術だけでなく放射線治療や化学療法などの補助療法の組み合わせが必要な場合が多く、山梨大学病院や東京女子医大病院などにご紹介します。脳実質外腫瘍として最も頻度が高いのは、脳腫瘍全体の約20%を占める髄膜腫で、脳を包む硬膜という膜から発生する腫瘍です。髄膜腫の85-90%は、組織学的に良性で摘出手術のみで対応できることが多く、当院でも多数の症例の治療を行ってきました。最近では画像診断技術の進歩により、無症状で髄膜腫が発見されることも多く、MRIなどの画像で経過を観察し、大きくなることが明らかな場合や症状が出現する場合は開頭による腫瘍摘出術が必要になります。(写真参照)

頭部外傷・頚部外傷

頚部外傷:交通事故や転落・転倒による頭部・頚部外傷が多い。頭頚部打撲痛や一過性の意識障害であっても24時間は経過観察が必要です。
急性硬膜外血腫の場合、3時間後位から進行性の頭痛、意識障害、歩行障害を生じることが多く、緊急的な関頭術を必要とします。

慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫は70-80才以上の高齢者に起こることが多く、日常生活動作の低下や認知機能の低下で気付かれることが多い疾患です。頭部CTまたはMRIで容易に診断でき、脳の圧排が明らかで症状を伴う場合は、頭蓋骨に小さい穴を開け、硬膜と血腫被膜を切開し、中に溜まっている液状の血腫を洗浄除去します。患者さんの身体に負担の少ない手術で、高齢の方でも手術を行い元気になれる可能性が高いため、積極的に手術を行っていて当院では年間60-80例施行されています(写真参照)。

外傷性頭蓋内血種

外傷性頭蓋内血腫はその発生する解剖学的位置から、硬膜外血腫、硬膜下血腫、脳内血腫(脳挫傷)に分けられます。硬膜外血腫は頭蓋骨と硬膜の間に発生する凸レンズ型の血腫で、出血源の多くは硬膜に存在する硬膜動脈または静脈洞からの出血で、一般に急性の経過になります。硬膜下血腫は硬膜の内側で脳と硬膜の間にたまる三ヶ月型の血腫で、強い頭部外傷で脳挫傷に伴い損傷された血管から出血する急性硬膜下血腫と、軽度の頭部外傷後1-2か月の間に徐々に血腫がたまる慢性硬膜下血腫があります。急性硬膜外血腫と急性硬膜下血腫は、血腫量が少ない時は止血剤の投与などの内科的治療を行いますが、強い意識障害を起こすほど多量な血腫の場合は緊急で開頭血腫除去術を行う必要があります(写真参照)。
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